1.今年最初の「宮城県アディクション問題研究会」
1月8日の木曜日の夜、仙台駅前アエル仙台28階のエルソーラ仙台にて、今年最初の宮城県アディクション問題研究会(アディクション研)が行われました。
今回は「全国ギャンブル依存症家族の会宮城の活動について―体験談と最近のトピック」のテーマでお話を伺いました。
2.「全国ギャンブル依存症家族の会宮城の活動について―体験談と最近のトピック」
まず、最初に全国ギャンブル依存症家族の会宮城代表の阿部詠子様より、ギャンブル依存症をめぐる最近のトピックを伺いました。
この日お話しいただいたトピックは①違法オンラインカジノの問題点、②公営競技の問題点、③子どもたちのギャンブル問題の3点。
トピック1 違法オンラインカジノの問題点
違法オンラインカジノは、特に「年齢・スピード・犯罪」が問題です。
最近のアンケート調査によれば、オンラインカジノでギャンブルをする人は10代、20代から始まり、30台が54%を占めているとのこと。個人のトラブルにとどまらない、公衆衛生上の問題となっています。
スマホで24時間賭けることが可能で、電子決済で大金をかけている感覚が鈍化しがちであり、1か月以内に借金をした人が全体の6割に上っているとのこと。若年世代は返済能力が乏しく、借金をするまでのスピードがオンラインカジノ出現以前と比べ格段に早まりました。
オンラインカジノを原因とする犯罪行為の経験がある人は46%。非常に深刻な問題と言えます。
オンラインカジノ⇒闇金⇒犯罪のルートができあがっているとのことでした。
トピック2 公営競技の問題点
公営競技(公営ギャンブル)に関しては、若者をターゲットにした行き過ぎた広告が見られます。
ポイント戦略や「お友達キャンペーン」などを公共団体が実施してギャンブルをあおることには問題があると言わざるを得ません。
クレジット決済や携帯のキャリア決済など、キャッシュレスで賭けることが可能で、依存が形成されやすくなっています。
トピック3 子どもたちのギャンブル問題
昨年(2025年)に報道された事例で、スマホで7,000回、700万円を賭けたことが明るみになり、児相通告された児童がいたとのことです。
そのお子さんは小6から賭け始めており、低年齢化が進んでいます。
報道まで至る事例は氷山の一角であり、全国には家族ともども混乱に陥り、「心の傷」を負ったお子さんが多数いることと思います。
阿部様は「子どもの話に丁寧に耳を傾け、問題の背景にギャンブルがないかよく注意すること、問題が判明した場合、家族だけで抱え込まず、全国ギャンブル依存症家族の会などの自助団体や専門機関との連携した対応が大事であること」を小那覇資されていました。本当にその通りだな、と思います。
体験談
全国ギャンブル依存症家族の会宮城代表の阿部様からのお話のあと、同会会員の方より体験談を伺いました。
体験談のテーマは「辛い日々から笑顔でこの日を迎えるまで」。
幸せな結婚生活が、夫のギャンブル(スロット)と借金の発覚により暗転し、その後医療や、全国ギャンブル依存症家族の会につながって回復の道を歩んでいる現在まで、心に迫るお話をいただきました。
家族がやってしまいがちなNG行動は①(本人への)罵倒、②金銭管理・行動監視、③借金の肩代わりの3点。
「依存症は家族の病、家族ぐるみで回復を目指す」というお話が印象的でした。
3.回復支援における自助グループの重要性
かつて「治らない」とされて精神科医療から見放されていたアルコール依存症が「回復できる病気」となるまで、AA(アルコホリクス・アノニマス)、断酒会など自助グループの役割が非常に大きかった歴史があります。
最近の調査で、ギャンブル依存症の人は全国で300万人いると推計されていますが、そのうち治療につながっている人はごくわずかと思われます。精神科医療機関でも、ギャンブル依存症の治療をするところは多くありません。
そのような状況で、全国ギャンブル依存症家族の会やGA(ギャンブラーズ・アノニマス)、ギャマノンなど、自助グループの果たしている役割は、とても大きいということを、今回の全国ギャンブル依存症家族の会宮城様のお話しで再確認いたしました。
今回は貴重なお話し、誠にありがとうございました。
カウンセリングルームながまち 室長(宮城県アディクション問題研究会事務局) 精神保健福祉士 樋口明夫
(写真はアエル仙台28階エルソーラ仙台から夜景)

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