「カウンセリングルームながまち」上級心理カウンセラー Chie
「私なんて、消えてしまいたい」という言葉を聞きます。白状すれば、自分でもよくつぶやいてきました。
「死にたい」ほど積極的ではっきりした、決意を持った感情ではなく、「一時的にでもこの世界から自分の存在を消してしまいたい、辛い状況から逃げたい」という思いが根底にあったのです。
「消えたいという気持ち」になってしまう原因は、自分が周囲から認められないこと、孤独感、自己肯定感の希薄さ、経済的・心理的に辛い状況が重なるなど、どうにもならない状態に身も心もすくんで、「この辛い世界から離れたい」というところに追い詰められてしまうのだと思います。
消えたいという思いに襲われたとき、すぐに効く処方箋はありません。
しいて言えば、じっとしていましょう。
そう、自分が「消える」感覚になるまで、ずーっと待っていればよいのです。
理想的には布団でもかぶってじっとしていられば一番ですが、会社で働いているときや、学校で授業を聞いているときに、そんな気持ちに襲われたら、どうしたらよいのでしょう。
私がよくやってきたワザは、心を固い貝殻に閉じ込め、最低限手を動かしたり授業を聞いているフリをすることでした。
そうすると、周りの人が、勝手に意味のない言葉を交わしていたり、忙しく立ち回ったり、自分があたかも彼らと別の世界にいて、ガラスの水槽の中から、外を泳ぎ回る魚を見ているような感覚が訪れてきます。
その時の感覚は、「自分が消えてしまう」というより、「周りが自分の世界から膜を隔てて離れてしまう」という感じです。
「消えてしまいたい」とき、必ずしも自分自身が消えてしまうことだけが処方箋ではありません。
煩わしく自分とは相いれないこの世界を、一時的に自分の心から切り離して、遠くへ隔ててしまうことだってできるのです。
そしてじーっと、静かに自分の力を温存して、ガラスの中の水槽から泳ぐ魚を眺め、水槽にキラキラひかる煌めきが見えてきたら、また他の人達と一緒に、この世界を泳ぐだけ。
大丈夫、「消えてしまいたい」と思っても、あなた自身が消えることはありません。その思いは、あなたが自分自身としてただ息をしていたい、という心のシグナルなのですから。

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